ブログ

2016.07.20更新

情報を更新していきます。

投稿者: 寺辺歯科医院

2016.02.09更新

先日、歯髄細胞バンク認定医講習会に行ってきました。
歯髄細胞?バンク?聞きなれない言葉が出てきて、新しい銀行でも出来たの?
正直なところ最初はそうかもしれませんよね。

少し考えてみましょう。
歯髄って?そう、歯の神経の事、と言う事は歯髄細胞とは歯の神経の細胞の事ですよね。
そのような細胞を保存しておいてどうするの?
でもなんだか匂ってきませんか?何の臭いでしょうか?
頭の片隅に、ノーベル賞、京大山中教授、iPS細胞、再生医療なんて言葉か浮かんできたら大正解です。

近年の再生医療の発展は目を見張るものがあります。
ほんの1個の細胞からでも体の色々な臓器の細胞に変化させる事が
出来るようになりました。
すごい事が出来る時代になりましたね。

ただこのように進歩した中でもiPS細胞から色々な細胞に分化させるには難しい面もあり、
また時間とコストもかかることからそのスピードも鈍いものとなっている事も否めません。
そこで、iPS 細胞からではなく自分の細胞から同じような方法をもって、
自分のために色々な細胞に分化させ、それを自分の病気の治療に使用しようとする考えがあります。
では自分の細胞を何処から持ってくればよいか?と言う事になります。
基本的には何処からでも良いのですが、そのためには体に傷をつけなくてはいけません。
いくら病気治療のためとはいえ、健康な部位に傷を付けるのはいかがなものかと言う事になります。
今ではあたりまえの様に行われている生体臓器移植、始まった頃にはいくら治療のためとは言え、
健康な体に傷を付けると言う事に医療倫理を問う声が多かった事が思い出されます。

そこで考えられたのが再生能力の非常に高い歯髄細胞です。
でも病気治療のためとはいえ、健康な歯を抜いて歯髄を採取してはそれこそ医療倫理が問われますが、
どうにかうまく健康な歯髄が手に入らないでしょうか。

そこに抜けて、もしくは抜いても当然の歯があれば良いのですが・・・・。
例えば乳歯の歯髄はどうでしょう?
乳歯は必ず永久歯にはえ換わります。
その時、乳歯の歯髄が歯に付いて抜けてきます。
これを使用してはいかがでしょう。
まだありますよ。

親知らずの歯髄はいかがでしょう?
うまくまっすぐにはえてきた親知らずはよいのですが、
斜めにはえてきてしっかりとはえきらず、歯肉にもぐっている親知らずで、
そのために清掃が行きとどかず、虫歯や歯肉炎を起こしている親知らず。
こうなると抜くしかありませんよね。

そうして抜かれた親知らずの歯髄。
また、歯列矯正のため残念だけど便宜的に抜歯された歯の歯髄。
これらがその候補になるとは考えられませんか。

こうして得られた健康で倫理的に採取が許された歯髄を歯ごとになりますが冷凍保存し、
必要な時が来たらその細胞を利用し、必要な臓器の細胞に分化し使用する。
と言うのが歯髄バンクのコンセプトであります。

例えば小学生の時、永久歯生え換わる時に抜けた乳歯の歯髄であったり、
大学生の時やむなく抜いた親知らずの歯髄を保存しておく事で、その後、
心臓疾患に罹患し、心筋の再生が必要になった時は、その歯髄細胞から心筋細胞シートを作製し、
心臓に移植する事で失った心筋の機能を再生させる事が出来ます。

この様に、再生医療の発達は、現在そのスピードを加速させ、
近い将来どのような臓器でもその臓器の失われた機能を再生させる事が出来るようになると考えられています。

もちろん、この歯髄細胞バンクで歯髄を保存するためには経費を要しますが、
将来の健康寿命のための投資と考えればよいのかもしれませんね。

興味のある方は(日本歯科大学 歯髄細胞バンク)で検索、もしくは当院にご連絡ください。
ただしこの分野は他にも同じような事を行っている企業もあります。

情報によく注意して、しっかりと理解したうえでご参加ください。

院長  寺辺勝之

投稿者: 寺辺歯科医院

2014.07.15更新

~その1~
6月21日22日仙台で行われた日本顎顔面補綴学会に参加してきました。

今回の学会出席の目的は、もちろんたくさんの興味ある一般演題を聞く事もありましたが、一つは特別講演で、スイスのベルン大学、頭蓋顎顔面外科教授、飯塚建行先生の「最近のヨーロッパにおける顎顔面再建の主流と、ヨーロッパにおけるBRONJの発生とビスホスホネート製剤投与患者の取り扱い」についてのお話が聞ける事、またシンポジウムでは「顎顔面領域の再建への3-Dの応用」と題して本邦の著名な先生方のお話しと、さきほどの飯塚先生のヨーロッパの現状を合わせてシンポジウムが行われると言う事で、とても楽しみに仙台まで行ってきました。

まず、顎顔面の再建において硬組織再建の材料、すなわち骨は何処から持ってくるの?と言うお話でしたが、現在ヨーロッパでは腓骨(ひこつ)が主流との事でした。
腓骨って何処の骨かご存知ですか?
余談になりますが今から40年前、私が解剖学を習った時、「親からもらった時計(と けい)」と覚えたのを思い出しました。
どういう事かと言いますと、「親指に近い骨が橈骨(とうこつ)と脛骨(けいこつ)である」と覚えたものでした。
すなわち手の橈骨には尺骨(しゃっこつ),足の脛骨には腓骨があるわけで、腓骨は足の骨が正解でした。

もう一つ、ついでに顎顔面の再建って理解できますか?
なんとなく漢字をそのまま読めば「顎と顔を再び建て直す」で、「ああそうか」って感じですがよく考えると「ええっ!」「顎と顔をもう一度作り直す」「何それ!」ですよね。
そうです、人は古くから体のある部分を失うと人工物を作りその機能を回復させようと努力してきました。
手足を失えば義手義足、歯を失えば義歯であるように。
でもこれらは血の通わない人工物であるがゆえに、その機能の回復には限りがありました。
そこで考えられたのが、生体の一部を使用した機能回復、すなわち骨が無くなればどこかから生きた骨を持ってきて行う硬組織再建、皮膚など軟組織を失えば軟組織再建、またそれらを同時に行う硬軟組織再建、顎顔面の腫瘍や外傷により失った機能を人工物ではなく生きた組織でその部分を再建し、審美的にしかも発音、摂食、咀嚼、嚥下、の機能を回復するのが顎顔面の再建です。

で、話しは元に戻りますが、腓骨を使った再建、足の骨取ってしまって大丈夫なの?とても素朴な疑問です。
私も20年ほど前、初めて腓骨を使った再建の英論文を読み、「本当に大丈夫なの?」でした。
私が現役で再建を行っていた頃は、ほとんどが腸骨で肩甲骨も使用した経験はありますが、その頃まだだれも見向きもしない移植材料でした。
今回、演者の飯塚先生の発表では、腓骨は顎骨の形態の再現に使いやすいばかりではなく、その後移植された骨にインプラント治療を行う際、とても適した骨であると言う事が強調されていたように感じました。
すなわち頑張って骨を移植し顎の再建には成功したけれど、義歯等がうまく装着できず、その機能を果たさない。
移植骨にインプラントを埋入し、その新しい顎骨に機能を持たせて初めて再建の意味はあると言うのが、今回の講演の結論であったように思いました。

続いて骨粗鬆症治療薬ビスホスホネート製剤の話に移りました。
まず、飯塚先生がなぜ骨粗鬆症治療薬のビスホスホ製剤による顎骨壊死BRONJの研究に着手したかの話がありました。
そのわけはビスホスホネート製剤を創製したのがスイスのノバルティ社で、スイスにある大学の顎骨を触ることの多い顎顔面外科を専攻している者にとっては見捨てておく事が出来ないと言う考えから研究を始めたと言う事でした。
そう言えば今気がついたのですが、最近ノバルティファーマって最近高血圧治療薬云々でよく耳にしましたが、同じ会社ですかね~? 余談でした。
BRONJの発生機序につきましては、以前記載させていただきましたので参考にしてください。

さて、今私たちを悩ましているのは、ビスホスホネート製剤を使用しているが、BRONJは発症していない、すなわち顎骨に今何ら症状が無い方々で、逆に言うと今後の外科的処置でBRONJを発症する可能性のある方々をどのように取り扱うか、であります。
すなわち、外科的処置を行うか、行わないかで、歯牙の抜歯の様にその歯牙の状態から抜歯がどうしても必要な状態であればその診断も比較的悩まなくてもよいかもしれません。
しかし、インプラント処置の様にわざわざインプラントにしなくても義歯があり、無理にインプラントにしなくても良い場合などは本当に悩みます。

ほんの2~3年前まではビスホスホネートを内服で投与されている方は、3ヶ月休薬して抜歯を行い抜歯後2~3ヶ月待って投与を再開するのが望ましい、そして点滴で静脈内に投与されている方はなるべく外科的処置は行わないのが望ましい、と言う事でした。
しかしビスホスホネートは投与目的が骨粗鬆症の患者様だけではなく、ビスホスホネートには癌の骨転移の抑制やすでに骨に転移している癌の痛みを緩和したり、進行を遅らせる効果があり、6ヶ月も休薬することのできない患者様も有り、私も患者様の同意を得て無理を承知でこれまで数例の抜歯を行いました。
結果は、幸いにも1例もBRONJを発症した方はなく、ほっとしている所です。

そして、2年ほど前よりは、休薬してもビスホスホネートは体内に残存し、休薬の効果があまり期待できない事、またBRONJの発症が当初予想されたよりたより少ないことなどから、現在では休薬はせず外科的処置を行った後は、抗生剤等を投与し感染予防に留意し、慎重に経過観察を行っていく事、に変わりました。
飯塚教授も最近の研究結果から、抜歯処置は言うに及ばずインプラント処置を実際行っておられ、以前にBRONJ発症が無い事、抜歯処置後に異常所見が無い事、抜歯を行った場所がレントゲン写真で正常に骨が回復しているなどの条件を満たせば、インプラント処置も行って問題ないと結論付けておられました。
この講演を聞いて、ビスホスホネート製剤を使用されている患者様に少し明るい未来が見えたような気がしました。
~その1~はこれぐらいにして「顎顔面領域の再建への3-Dの応用」は~その2~でお知らせします。

投稿者: 寺辺歯科医院

2014.03.18更新


2月22日23日に行われた表題の教育研修会に行ってきました。
今回は顎口腔の再建と再生と題して
・顎口腔の軟部組織再建
・上下顎硬性再建の適応
・骨再生の基礎
・歯槽骨、顎骨および軟骨の再生
・口腔インプラントを用いた機能再建
・口腔インプラントの画像診断
・唾液腺の形成から再生機構の解明へ
・iPS細胞による再生医療の展望―人歯髄幹細胞の有用性についてー
以上8演題に加え今話題の 
・骨粗鬆症の基礎から最新の治療まで 
と題して 治療薬と顎骨壊死についての考え方について2日間の研修を受けてきました。

温故知新
「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」
最初の2演題は悪性腫瘍や外傷で顎口腔の舌、口唇など軟部組織や上下顎骨など硬組織を失った場合どのようにして再建を行うか、どのようにして再建を行ってきたかと言う内容で、初めは古典的な方法の皮弁による再建が紹介されました。
軟組織欠損部の比較的近い皮膚を使用する局所皮弁や遠位の軟組織を使い再建を行う有茎皮弁が紹介され、ずいぶん懐かしい写真を見る事が出来ました。

実際、私も有形皮弁移植は2~3例しか経験はなく、1991年に大学病院を退職するまで殆どがこれからお話しをする血管柄付き遊離皮弁移植でした。

血管柄付き遊離皮弁とは、皮弁を栄養する血管をつけたまま皮弁を採取する事により、より遠い所からでも皮弁による再建が可能で、再建時、顕微鏡下に動静脈の血管吻合と言う特殊な技術を必要としますが、軟組織欠損部の再建には大変有用な皮弁でした。

またこのテクニックを使い、その皮弁に同じ血管の栄養を受けている硬組織、すなわち骨を付けて同時に採取する事により、軟組織と同時に硬性再建が可能となり、再建は飛躍的に良い状態で行われるようになりました。

しかし、当時の再建を振り返ると、良い状態で再建が出来るようになったとは言え、そこに軟組織は存在するけれど、そこに骨は存在するけれど、その部位を失う前の状態とは程遠く、かろうじて顔面の形態を保ち、失った部位をただ満たしていると言う状態に過ぎず、そこに義歯を装着しても機能の回復には程遠い状態でありました。
それでも切りっ放しにする訳にも行かず、今でもそのような再建がおこなわれています。

近づく再生医療の足音
ただここ数年前より、再生と言う言葉を耳にする様になった頃よりその様相は変わりつつあります。
今、再生医療(Regenerative Medicine)が少しずつでは有りますが、私たちの分野にも光をもたらせ始めております。

再生とは?
生物学的には「損傷を受けた組織や器官、四肢などを復元する現象の事」となっており、よくトカゲのしっぽの現象を例に上げられますが、あれは再生ではなく、あくまでも再生とは見た目だけではなくその機能も併せ待たなくてはいけないとされています。
お話しは、再生医療の技術を駆使し、オーダーメイドの骨、軟組織を作製し、さらにそれらに機能を持たせる、と続いて行きます。

オーダーメイドの骨を作る
数年前まではそのような事は夢のような話で、人体で無くても済みそうな骨を探しそこから持ってきて、血管吻合など難しい技術を使い移植を行いそれだけでは足りない場合はさらにほかの場所から持ってくる。「作っているのか壊しているのかよく分からない」事をして一生懸命失った機能を再建しようと頑張ってきました。それしかなかったのです。

近年になって少し様子が変わってきたのは骨の再生を促す、骨再生誘導蛋白BMP2などに代表される種々の骨の成長因子を使用する事が可能となり、また新たに出来た骨をとどめるための足場となる代用骨などの開発が進み、より生体にやさしい骨の再生が可能となってきた事、さらに失った部分の形態を3次元的に解析し、3次元プリンターなどを使用して3次元人工骨を作製して、それをもとに骨の再生を促す、まさにオーダーメイドの骨を作製する事が可能になり、本来の形態に骨を再生させ、再建を行う事が出来るようになったため顔面の変形も少なく満足の行く結果を得る事が出来るようになってきました。

機能を持たせる
形態を回復しただけでは再生、再建した事にはならず、そこに機能を持たせて初めてその価値が発揮される所となります。
骨が出来たら次は口腔内に歯を作らなければなりません。
もちろん歯の再生に関してはかなり進んだところまで来ているようですが、再生歯でごはんが食べられる様になるにはもう少し待たなければ成らない様です。
そこで登場するのが口腔インプラントです。
ちまたではインプラントの悪い評判の方が先行し、本来の素晴らしさが分かって頂けなく残念に思いますが、歯の再生が出来るようになるまでは充分にその役割はインプラントが代行できると私は思っております。
すでにそのような研究を行っている機関では、オーダーメイドの骨にインプラントを埋入し、そこに人工歯を装着し充分に機能を発揮し、本当の意味での口腔機能の再生、再建がおこなわれている例もたくさん見られるようになりました。

さらにもう1歩未来へ
再建された口腔内に歯が生えた。これでもう十分に思えた再建もさらにもう1歩が必要でした。
口腔内には唾液の存在が必須条件で、唾液を分泌する唾液腺の再生が待たれる所です。
唾液腺の腺房の委縮、消失が原因のシェーグレン症候群、頭頚部癌の放射線治療による腺房細胞の消失による唾液の減少など、唾液を分泌する器官の消失によるドライな状態で、唾液分泌刺激薬の投与を行っても改善は見込めず、腺房細胞を含めた腺組織の再生が待たれております。

最後にiPS細胞のお話しを少し
現在再生医療の研究の中で、すでに形成されている組織中存在し限定的な分化能と増殖能を持つ「組織幹細胞」の応用が期待されています。
口腔領域でも歯髄に「組織幹細胞」であるヒト歯髄幹細胞が含まれている事が証明され、優良な医療資源として期待されています。
遠い存在であったiPS細胞による再生医療、歯髄幹細胞が有望なiPS細胞の供給源となれば私たち歯科医師にとっても再生医療が身近に感じられる時代が来るかもしれません。
親知らずの抜歯や乳歯の抜歯は我々にとって日常的な事で、健康で新鮮な歯髄が我々の周りに溢れており、有望な歯髄幹細胞の供給源となりえるからです。
以上が「顎口腔の再建と再生」についてのお話しでした。


ちょっと小耳にはさんだ驚きのお話し
同時に行われた「骨粗鬆症の基礎から最新の治療まで」の講演の中で、お年寄りの大腿骨近位骨折(骨頭骨折)は全国で年間約40000件発生しており、その約半数が1年以内に認知症を発症し、さらに発症後その半数が1年以内に亡くなられているという報告がされました。
ほんの些細な事で骨折を起こし、体の自由を奪われ寝たきりになれば、そのストレスから痴ほう症が発症し、死に至る。
嘘のようなお話ですが、それが現実だそうです。
そのため骨粗鬆症の改善が急務であり、治療薬の投与により骨折の罹患率が低下したとの事でした。
骨粗鬆症の改善薬は我々歯科医師の取っては投与患者の取り扱いに大変苦慮しており、BRONJ(ビスフォスフォネート製剤、すなわち骨粗鬆症改善薬による顎骨壊死)の発生に関して大変危惧するもので、投与基準の見直しも必要と思われますが、骨粗鬆症の裏側に見え隠れする高齢者の骨折は大変深刻な問題で、今後の成り行きが注目されるお話しでした。

投稿者: 寺辺歯科医院

2013.10.31更新



表記学会に出席するため福岡に行ってきました。
今回の学会のテーマを「日本の口腔外科のグローバル化を目指して」とし、数多くの特別講演、シンポジウム、教育講演が準備され、最新のがん治療や再生医療、そして歯科の将来の展望について話し合われていました。

その中で医科歯科連携を今後どのように進めていくべきか、すなわち一人の患者様が放った要求を医科と歯科が連携して叶えて行くにはどのような連携が必要か?今までであれば例えば医科がやるべき事はすべてやった、後は歯科任せ、またはその逆もあり、なかなか患者様のかゆい所に手が届かない事が多く見られました。

また有名な話ですが、心臓の人工弁置換術を受けた患者様が心内膜炎を起こし、その原因菌を突き止めたら口腔内細菌であったとか、口腔以外の疾患で手術を行う時、前もって口腔ケアを行う事により術後の経過が左右される事などは周知の事となってきました。
このような連携をさらに進めるためには、我々歯科医はさらに基礎医学を学び、医師は歯科を学ばなければならず、その出発点は学生の教育プログラムに始まり、厚生労働省だけでなく文部科学省も一体となり推し進めていく必要があると決論づけられていました。

今後我々は、歯医者(歯だけを診る いわゆる はいしゃ )ではなく、患者様を取り巻く医療スタッフの一員としての歯科医師(しかいし)として医科歯科連携を推し進め、基礎医学を学び、歯科以外の疾患に理解を深め、その中で歯科医師として何が出来るかを考えていかなくてはいけないと感じました。


もう1つの話題、最新のがん治療のお話し。
もちろん再生医療についてもたくさんの演題があり、色々聞かせて頂きました。
まさに今世紀最大の発明と言われ、この世に生まれたiPS細胞。
これにより今までになく最速の進化を遂げようとしている研究。話題は尽きません。大好きです、この分野。
でもあえて最新のがん治療についてほんの少し書かせて頂きます。

癌の分子標的治療について。
正常な体と病気の体の違い、あるいは癌細胞と正常細胞との違いをゲノムレベルや分子レベルで解明し、癌の増殖や転移に必要な分子を特異的に抑える治療法で、従来からの多くの治療薬もその作用機序を探ると何らかの標的分子を持ちますが、この分子標的治療は薬を作る時点や、治療法の設計の段階から分子レベルの標的を定めている点で従来の方法とは違います。
「いったいなんのこっちゃ?」
現在のがん治療の専門的な知識に乏しい私にとって、この講演を聞いて感じた言葉がそれでした。
約20年前、がん治療の戦線からしりぞいた私にとって、従来からの抗がん剤は耳の奥底に音として残っていますが、今をときめく分子標的治療薬の名前は耳には新しく、同時に入ってくる標的分子の名前や、ゲノムの名称は異星人の言葉の様に聞こえ、なんとなく「気持ちはわかるんだけど・・・」で、最初の言葉に戻りました。
でもわかった事はこの20年で癌治療は飛躍的に進化した事で、癌は治る病気になったと言う事でした。
この講演を聞きながら、中東での戦争で、巡航ミサイルトマホークが次々と発射されていく映像を思い浮かべていました。
私が現役でいた頃は、大きな大陸間弾道ミサイルの弾頭に何メガトンもの核爆弾を搭載し、敵国にミサイルを撃ち込み軍事施設だけでなくその国自体をも焼土とかす、そんな戦いだったのだと。
癌を無くそうとすると、その宿主である人にまで損害が及ぶ、ジレンマの連続であったと。

でも今は違う!
GPSや衛星写真の情報で完全にプログラミングされたミサイルが確実にピンポイントで敵の軍事施設を狙い、確実に破壊し、その機能を奪う。
現在のがん治療は完全に近代戦へと変化していると実感しました。

今回学会に出席して色々と新しい事を学ぶと共に、歯科医療としての基本的な事、そしてその歴史的変遷の再確認が出来た事は、今後の診療に大変役に立つように感じました。

最後に余談
福岡に行ったという事で、もちろん「稚加栄の辛子明太子」を求め、おいしくいただいたのは言うに及ばずですが、今回初めて写真の「博多通りもん」を買い求めて見ました。映画「のだめカンタービレ」で確か出てきたと思いますが、とても甘くておいしいお菓子でした。
「一度、お試しあ~れ!」
寺辺 勝之

投稿者: 寺辺歯科医院

2013.04.10更新



写真は桜満開の千鳥が淵です。
千鳥が淵は武道館で有名な北の丸公園と靖国神社に近接したお堀を望む都内でも有名な桜の観賞スポットです。
この千鳥が淵の桜には特別な思い出があります。
1991年3月、6年間の学生生活を終え、それから14年間、母校の日本歯科大学病院で口腔外科を学び、足掛け20年、思い出がいっぱい詰まった東京の生活にピリオドを打つ春の事でした。
その日は前日の雨が夜半過ぎから雪になり朝起きるとうっすらと雪景色となっていました。
桜の開花後の積雪は20年の東京生活で初めてのことであり、桜の花につもる雪、とても珍しい景色を見る事ができ、東京を離れる私にとってまさに「なごり雪」であったような気がします。
あれからさらに20年、東京で満開の桜を見るのはそれ以来の事でとても懐かしく思いました。

さて、わざわざ東京に桜を見に行ったわけでなく、横浜のみなとみらいで開かれた、まさに医療の未来を語る第12回日本再生医療学会総会に行ってきました。
以前より再生療法には興味を持ち、機会を見て種々の再生医療を題材とした学会や研修会に出席し色々と学んできましたが、iPS細胞がこの世に誕生してからその発展は目覚ましく、今回の発表も目を見張るものばかりでした。
特に私たち歯科の分野でも、ひと昔し前は、いかに失った歯、骨、軟組織の機能を移植により健全な状態に復元するか、との目的から色々と研究がおこなわれそれを臨床に応用をしてきました。
私の学位論文も骨移植に関するものでいかに自分以外の骨を安全に移植するかというものでした。
歯が無くなれば自分の歯を、なければ人工歯根(インプラント)を、骨が無くなれば自分の骨を、足りなければ他人の骨を、さらにそれでも足りなければ人以外の動物の骨を、そして軟組織の再建、例えば舌を失えば口腔に近接する場所に皮弁を起こし移植を行い、それでも尚足りなければ遠くから動静脈の血管柄付きの皮弁や筋皮弁を持ってきて、近くの動静脈と血管吻合を行い、舌を作り口腔の軟組織再建を行いました。
しかしこれはもう昔の話となりつつあります。
本当に近い将来、移植医療は無くなり、再生による再建が当たり前の様に行われる時が来ることを確信しました。
歯牙欠損に対し、インプラント埋入による歯牙の再建は、今現在、最良の方法と言えますが、近い将来、歯牙再生による欠損治療がルーチンとして行われる日はすぐそこまで来ているように思えました。



さて次は桜吹雪、開花後低い気温に恵まれてか1週間たっても桜はとても綺麗でした。
しかし所によってはそろそろ散り始め、吹雪とまでもいかないものの、風に舞う花びらを見る事が出来ました。
写真はJR飯田橋駅から市ヶ谷方面を望む景色で、外堀通り、外堀、JR中央線、そして外濠公園を見る事ができ、それぞれに桜並木があり、お濠の上をわたる風や、通過する電車の風に吹かれて花びらが舞い、盛りの春を満喫する事が出来ました。あれから1週間、今頃は散った花びらがお堀の水面を彩り、ピンク色に染めている頃と思います。 で、わざわざ桜吹雪を見に行ったわけでなく、飯田橋にある母校の日本歯科大学で開催された第22回有病者歯科医療学会総会に出席しました。
再生医療など優れた医療技術をもってしてもその医療を受ける患者様にいわゆる持病があり、歯科治療に困難をきたす場合があります。
この学会では高血圧、糖尿病、虚血性疾患など様々な疾患に罹患されている患者様を、いかに現病をコントロールしながら、安全にしかも効果的に歯科疾患を治療するかを考える学会で、これらは日々臨床に携わる私たちにとって、大変大切な課題と考えられます。
さて、ここで今回の学会のテーマでもあったBP製剤について少しお話をさせていただきます。
最近、「BP製剤と顎骨壊死」と言う言葉を耳にされた方があるかと思います。
BP製剤(ビスフォスフォネート製剤)を投与されている患者様が歯科治療、特に抜歯など外科的処置を受けた後、その部の顎骨が壊死を起こして腐骨となる事があると発表されました。
ビスフォスフォネート製剤(bisphosphonate;BP)とは、破骨細胞の活動を阻害し骨の吸収を防ぐ薬剤。えっ?何?・・・?
この薬を飲んで歯科で歯を抜くと顎骨壊死で骨が腐り、破骨細胞?怖そうな名前、それでいて骨の吸収を防ぐ有効な薬剤?いったい何なんや?。?が100個ぐらい並びそうですね。
少し考えて見ましょう。
骨も生きています(当たり前ですが)。いつも生まれ変わっています。代謝しているのです。
この現象にかかわっているのが骨芽細胞であり破骨細胞なのです。
卵が先か鶏が先か?じゃないですが、骨が破骨細胞の働きにより吸収されると一定の骨の量を保持しようと、骨芽細胞が無くなった分だけ骨を作る、人は生きている限りこれを繰り返しているのです。
しかし、このBP製剤が破骨細胞に取り込まれると、破骨細胞はアポトシ-シスに陥り自死(自殺)してしまい、このため骨の減少は遅くなります。
ですからこの薬を飲んでいる人とは骨の吸収が遅くなる事を期待する人で、骨粗鬆症、変形性骨炎、悪性腫瘍(乳癌など)の骨転移、多発性骨髄腫、その他骨のぜい弱となる疾患に罹患されている方となります。
ではこのように骨に有効なお薬がなぜ顎骨にのみ悪影響を与えるのでしょうか?
私たちはこの様な顎骨壊死の事をBRONJ(ブロンジェ)と呼んでいます。Bisphosphonate-related osteonecrosis of the jawのそれぞれの頭文字を取ってBRONJと呼び、これを日本語に直すとビスフォスフォネート系薬剤関連顎骨壊死となります。
ではこの病気はどのようにして発生するのでしょうか?残念ながら実はまだよく分かっていません。
2003年BP製剤の静脈注射を行っている患者様に顎骨壊死が見られると発表があり、それ以来さまざまな研究がおこなわれましたが、まだ仮説でしかない状態です。
ではその仮説を説明いたします。

先にも述べましたが、BP製剤が投与されると当然全身の骨の破骨細胞に影響を与えるわけですが、どうして顎の骨だけに壊死が起こるのでしょうか?
それはどうも骨のリモデリング、すなわち骨の生まれ変わりのスピードが速い場所に起こりやすい事がわかってきました。
歯が植わっている場所を歯槽部と言い、その部の骨を歯槽骨と呼び、顎骨本体の上に位置しています。
そしてその歯槽骨の生まれ変わりのスピードはほかの骨の10倍とも言われるほど速やかに行われています。
もともとそのスピードに合わせ創傷の治癒がおこなわれていた場所が、薬の影響で骨の生まれ変わりが遅くなり、抜歯後などの創傷治癒が遅くなれば、創傷の細菌感染の機会も増し、ましてや口腔内は細菌がたくさん住む環境で、顎骨にBRONJが発生しやすくなるのも納得がいくと思われます。
BP製剤は確かに有用な薬剤と思われます。
特に悪性腫瘍の骨転移に苦しむ患者様にはなくてはならないものと思われますが、今や国民病の様に骨粗鬆症が言われ、そのためBP製剤を内服する高齢者が増加している現在、我々歯科医師にとっては非常にむつかしく、厄介な時代がやってくる事が予測されます。
歯科受診を希望される方で、もしそれらしいお薬を飲んでいるかもしれない方は、一度お薬手帳や薬の説明書を再度確認され、わからなければそのお薬を処方された医師と相談してください。
もしそれがBP製剤であれば必ずかかられた歯科医師にそれを申し出るようにしてください。
またもうすでに歯科に受診されている方は、早期に歯科医師にお伝えいただく事をお勧めいたします。
今回は明るい未来のお話し、そして少し怖いお話しをさせていただきました。
今回の話に限らず、良いとされている治療法は「両刃の剣」であることもあり、より良い医療を受けるためのコツは、医師とより良いコミュニケーションを取る事が大切であると感じました。

投稿者: 寺辺歯科医院

2012.12.21更新

娘にせがまれて、プリンのおいしいパステルに行ってきました。
あまりに可愛いので、写真に撮って食べてしまいましたbirthday
来る年がもっともっと良い年でありますように・・・
メリークリスマスxmas

投稿者: 寺辺歯科医院

2012.12.17更新

九州、小倉に行ってきました。
この時期、北九州市と言えば下関のフグ、でも残念ながら食べてきませんでした。
今回も小倉で開催された学会出席が目的でした。
学会名は日本顎顔面インプラント学会学術大会で、今回のメインテーマは「インプラントのための顎骨・歯槽骨の再建」で、数多くの演題とシンポジウムが用意されておりとても興味深くお話を聞く事が出来ました。
 


 
「顎骨、歯槽骨の再建」と聞くと顎骨は読んで字のごとく、顎(あご)の骨でありもちろん上顎と下顎があるのは理解できますが、歯槽骨って何?と言う事になります。
でもこれも考えて見ると、読んで字のごとく歯(は)を槽(うける)骨(ほね)で簡単に言うと歯の埋まっている骨であり、顎骨と歯をつなぐ骨である事が理解できます。
でもちょっと待てよ。「再建って?再(ふたたび)建(立てる)?そんな事できるの?」。
答えは「ハイ、出来ます」。

病気や怪我で顎の骨を失った場合、出来るだけもとあった様に顎骨を作り直し、失った口腔機能(咀嚼、嚥下、発音)を、それから顔貌の変形を無くし審美的にも回復を行う、これが顎骨の再建です。
方法としてはチタン製のプレートで顔貌の外形を修復し、骨の部分は腰の骨(腸骨)や足の骨(腓骨)を移植して再建を行います。
顎骨のようにたくさんの骨の再建が必要な場合は自分の骨を移植して再建を行いますが、歯槽骨の再建では少し様子が変わってきます。
インプラントを埋入するに足りるだけの骨を再建すれば良いわけですから、もちろん自家骨(自分の骨)を採取して行うこともできますが、最近では人工骨を利用して再建を行う事も始まっています。
人工骨であれば骨の採取による体に傷をつける事が無くなるからです。

この様に人工骨が使用されるようになってきた理由は、優秀な人工骨が開発されただけではなく、再生医療の考え方がしっかりとして来たからです。
再生医療を行うには再生される組織のもととなる細胞、再生される組織を成長させる成長因子、組織を再生させる足場が必要となります。
これらの考え方が確立された事により我々開業医においてもインプラントを埋入するほんの少しの範囲であれば、細胞は既存の骨に存在する細胞を使用し、それに成長因子と足場となる優秀な人工骨さえあれば歯槽骨の再建が可能となってきました。
私も数年前より成長因子として血小板を利用したPRPと人工骨のβ―TCPを使用してインプラントのための歯槽骨の再建を行い良好な結果を得ています。
今回の学会ではさらに臨床成績の良い成長因子と、足場となる材料の発表も有り、それらの使用を検討し、さらに確実なそして患者さんの負担にならない歯槽骨の再建を目指していきたいと考えております。

最後ですが、帰りの福岡空港で買い求めた稚加栄の"さんま明太子"はとても美味しかったです。
一度機会があればお試しください。

投稿者: 寺辺歯科医院

2012.08.01更新

観光?グルメ?だと良かったのですが、お勉強が目的でした。
7月28日土曜日に朝から1時間ほど診療し、京都に向かいました。
憧れの京都大学に到着し、京都大学百周年時計台記念館で受付を済ませ、午後1時から百周年記念ホールで教育研修会がスタートしました。
研修の内容は「口腔外科診療における診断と手術手技のコツ」と言うもので、翌日曜日の午後5時に終了するまでトータル11時間30分にもおよび延々と続きました。
お話しは基本的な事が多く、日々の臨床における再確認と言う見地から、役に立つものばかりで大変満足のいくものでした。
かつて大学病院に勤務し、日々、口腔外科と格闘していた頃、学会における臨床発表や基礎研究の発表で一日の長が見られた京都大学の発表に大変興味を持ち、数多くの発表論文を読んだ記憶があります。
思わず冒頭に「憧れ」と書いてしまったのも、そのあたりに起因するものかもしれません。










京都もやはり暑かった。
ただ暑いには暑かったけど、吹き抜ける風はさわやかで、気持ちよく多くの木々の枝を揺らし、その情景の豊かさが、暑さをやわらげていたような気がしました。この心を豊かにさせる環境の良さが、世界で初めてのiPS細胞誕生の原動力ではなかったでしょうか。
もし生まれ変わる事が出来るなら、この次はもう少し、いや、もっと沢山勉強してこの学び舎に行きたい、なんて夢のような夢を見て慣れないお勉強の疲れからか爆睡状態で帰ってきました。

投稿者: 寺辺歯科医院

2012.07.27更新

こんにちは、三重県津市の寺辺歯科医院の 寺辺です。
7月と8月のお休みをお知らせ致します。
7月28日(土)
8月3日(金)15~22日にお休みを頂きます。
患者さまには、ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒宜しくお願い致します。
ご予約の際には、お気を付け下さいませ。

投稿者: 寺辺歯科医院

前へ